『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の要約~ビジネスマンの人生を変える一冊~

この本との出会い

自分の小さな「箱」から脱出する方法
Amazonの評価の高いレビューを見て購入したのは10年以上前の話だ。

毎日仕事に追われ、家族とのすれ違いが多かった時期。
当時の私は自分に強い自信を持ち、仕事も家庭も論理的に論破するいけ好かない奴だった。

仕事の線引きをしっかり引き、自分の仕事は100%やり切る。周囲に依頼した仕事の出来が悪いと「こんなこともできないのか?」という空気で上から物を言うタイプ。上司から見れば頼りになる奴だったかもしれないが、人間としては痛い奴だったと思う。

仕事、プライベート、すべての問題を論理的に他人の問題にすり替え、自分自身の問題に気付いていなかった。

そんな状況を打破するキッカケをくれたのが、この本だ。
現時点もまだまだ問題点も多い私だが、人生を好転させてくれた大切な一冊。

ぜひ紹介させて欲しい。

他の方からも絶賛されているAmazonのレビューはこちら:自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法が伝えてくれること

この本が伝える最も重要なことは

★嫌なことがあったとき、不快の原因を他の人に求めてしまうことってあるよね
⇒だけど不快になったのは、その前の自分の行動にも原因があるんだよ
⇒だから自分が不快に感じる前の行動を見直そうよ
⇒そうすることで、不思議なくらいハッピーな結果になれるから

ということだ。

家庭の事例でういうと、こんな感じだと思う。

★出社前に自宅の部屋が散らかっている
⇒やってあげようかな~と思いながらも「奥さんの方が自分よりも時間があるはずだからやってもらおう」と思った。
⇒仕事から帰宅しても部屋が散らかったままだった
⇒部屋が散らかっていることで嫌な気分になり、奥さんに対して不信感を持った
⇒不信感が言動に出ることで、夫婦喧嘩になった

掃除だけに関わらず、仕事と家事を天秤にかける男性の場合、上記に類似したケースがよくあると思う。

最初に出てきた「やってあげたい」という一瞬の気持ちを裏切らなければ、奥さんは喜び、自分自身もハッピーな気持ちになっていたはずだ。しかし、自分自身の一瞬の感情を裏切る(事情を考えずに「奥さんのほうが時間があるはずだ」と思う)ことで、結果的に両者が不幸な結果になってしまう。

ビジネスの事例でいうとこんな感じだ。

★上司からに「今週中に資料をまとめておいて!」と大量の仕事を頼まれました。
⇒「最後までやったほうが良い」と思っていたが、80%ほど完成した時点で「大量の仕事だったし、ここまで頑張れば文句ないだろう」と思い仕事を終了しました。
⇒週明けに上司から「なんで100%完成していないんだ!」と怒られました。
⇒あなたは「あんなに大量の仕事を振っておいて叱るなんてどうしようもない上司だ!!」と憤慨しました。

最後まで仕事をやりきれば上司からも褒められ「頑張って良かった!!」と思うだろう。しかし、「これくらいで良いだろう」と自分を正当化することで仕事を80%で終了し、上司を悪者に・・・・。結果的に不幸になってしまったケースだ。

自分自身の感情を裏切ることを、この本の中では「自己欺瞞(じこぎまん)」と呼んでいるが、この「自己欺瞞」が、毎日の生活で何度も発生している。

・朝起こしてあげようかな
・コーヒーいれてあげようかな
・これ欲しがっていたから買っておいてあげようかな
・仕事手伝ってあげようかな
・この資料や情報を共有してあげようかな・・等

一瞬の「やってあげたい」という感情をどう扱うか?によって、その後の気持ちが大きく変わることに気付く。

人は「やってあげたい」という感情に従った結果、後悔することはほとんどない。「やってあげたい」という感情を見過ごさないことで自分自身がハッピーになり、「やってあげたい」という感情を見過ごすことでアンハッピーになるのだ。

これがこの本が伝える「単純だけど、多くの人が気づいていない習慣」である。

私の事例

この本を読んだ当時、私はサラリーマンとして広告の営業をしていた。
担当クライアントの中に、業績が低迷しているクライアントがいたのだが、その組織は統制がとれておらず、退職者が増加している状態だった。

「この組織を何とかしてあげたい」

当時は組織を改善させるノウハウもマネジメント能力もなかったが、この本に感化されていた私は「これは自分の箱を飛び出すチャンスかもしれない」と思った。

人事や組織に関する情報を書籍から集め、人事コンサルの知り合いからアドバイスをもらい、夜や土日の時間を使ってクライアントの問題点を分析。解決案を作ってクライアントの役員に提案。「ボランティアで構わないので、組織の問題を一緒に解決したい」旨を申し出た。

私の提案内容、言動から本気度が伝わったのだと思う。

結果的に役員の方に全社員を集めていただき、私から組織改善に関する提案を説明させてもらった。その後、私が作成した従業員満足度調査を実施し、従業員の方と一緒に企業ビジョン・社内ルールを作り、わずかながら組織が改善する兆しを作ることができたのだ。

本来であれば「広告営業」という立場で行なう仕事ではない。しかし、「クライアントを救ってあげたい」という気持ちを裏切らなかった私は掛けがえのない経験を得ることができたし、この経験は起業後の経営はもちろん、その後の仕事のスタンス(仕事の範囲を限定しないスタンス)に大きな影響を及ぼした。

普段の生活に生かすことが重要

仕事以外にも、家庭のこと、社員・同僚のこと、自分自身のこと、両親のこと、友人のこと。

毎日の生活で起こる「ちょっとしたこと」から「いつかやってあげたい」と思う感情まで、沢山の「やってあげたい」があると思う。その感情を裏切らず「実際にやること」、つまり「行動を起こすこと」で、結果的に自分がハッピーになることができるのだ。

私も家族、社員、両親(父母・義父義母)や兄弟にやってあげたいと思うことが山ほどある。沢山ありすぎてどれから手を付けて良いかわからないほどだが、自己欺瞞にならないように(その気持ちを裏切らずに)、少しでも早く多くのことを叶えていきたい。

皆さんにもぜひ「自分の小さな「箱」から脱出する方法」を読んでみて欲しい。
当時の私と同じ状況の方であれば、きっと現状を打破するキッカケになるだろう。

Amazonレビューの参照はこちら:自分の小さな「箱」から脱出する方法