就職・転職するなら大手企業か?ベンチャー企業か?の結論

就職・転職するなら大手企業か、ベンチャー企業か?

SNS上で議論になることも多く、私自身も「ベンチャー企業に転職したほうが良いか?」という質問を受けることがよくある。

「安定・待遇」を取るか?(大手派)
「経験・成長」を取るか?(ベンチャー派)
が論点だ。

「安定・待遇」という観点では大手優位であることに異論ないが、「経験・成長」という観点では大手企業か、ベンチャー企業かは関係がないと私は考えている。

事実として、大手にも優秀な人材を輩出する会社は存在するし、ベンチャーでも全く人材が全く成長していない会社もあるだろう。

本記事では「経験・成長が得られる会社とは?」という論点で解説したいと思う。

人の成長に必要な「3大要素」

私がリクルートで働いていた頃、ある上司から人材成長に共通する3つの要素を教わった。

1つ目は「適切な目標」
2つ目は「適切な責任」
3つ目は「適切なメンター」

この3つが揃うと人材は大きく成長するということだった。

まずは、それぞれの要素について詳しく説明しよう。

適切な目標

人は簡単すぎる目標では成長できないし、高すぎる目標だと立ち止まってしまう。適切な目標とは「今できることよりも、少し高い目標を持ってもらう」ということだ。

例えばTOEICが400点の人が800点用の教材を使って勉強しても理解が進まない。今の自分よりも、少し上の500点や600点用の教材を使うことでスムーズな成長に繋がるのと同じだ。

例えば、私が知っている某大手企業では、実力に関わらず売上目標が全営業マン一律で設定されるので「適切な目標」とはいえないが、別の大手企業は「目標設定会議」という重要な会議が設定され、実力に応じて売上が配分されていく仕組みを持っている。前者は成長できない会社、後者は成長できる会社と考えて良いだろう。

一方ベンチャー企業では、そもそも目標自体がなかったり、達成見込みのない高すぎる目標が設定されているケースも多い。適切な目標設定ができる組織ルールや適切な目標設定ができるマネージャーいない限り、適切な目標設定は難しいだろう。

要するに「大手かベンチャーか?」ではなく「適切な目標設定ができる組織・マネジメント体制があるかどうか?」が1つの重要な要素になる。

適切な権限(責任)

適切な権限(責任)とは「目標達成に必要な権限」ということだ。

大手企業で新規事業がうまくいかない理由は、まさに「適切な権限(責任)」が起因している。

例えば、現場責任者に採用権限や予算権限を与えないままプロジェクトをスタートさせてしまうケースだ。権限が与えられない責任者は、採用や予算の稟議を上司に仰ぎ、逐一状況報告が必要になる。決断する機会を得られないまま、現場を知らない上司の指示を待つしかなく、プロジェクトは失敗に向かっていく。

権限という観点ではベンチャー企業が優位だろう。人手が足りないことが大きな要因だが、人材採用権限からシステム導入権限まで目標達成に必要な権限が現場責任者に与えられるケースが多く、権限委譲こそがベンチャーで働く最大の魅力だ。

権限がもらえるのであれば大手かベンチャーかは関係がない。ベンチャーのほうが権限を得られる可能性が高いというだけだ。目標達成に必要な権限を与えてもらえる会社であれば企業規模に関わらず「成長できる環境」だと言えるだろう。

適切なメンター

適切なメンターとは、困ったときに相談できる優れたメンター(主に上司)がいるかどうか。この言葉の反対は「目標(仕事)を丸投げする上司」または「仕事に介入しすぎる上司」と言えるだろう。

相談環境をつくり、進捗に合わせて適切なアドバイスをできる上司がいればベストだ。

全てとは言わないが、大手企業は配属による上司の当たり外れが大きい。良い上司に巡り合えば、適切にメンタリングしてもらえるが、悪い上司であれば放置されてしまうこと多いだろう。逆にベンチャー企業の場合、上層部は多忙なケースが多く、適切なメンタリング機会がないケースも多い。高い目標を与えられても自分自身でもがきながら突破口を見つけられる人はベンチャー企業に向いているが、それができない人にとってベンチャーは辛い環境になる可能性が高いと思う。

大手であれば「上司に当たる役職者」がどのような人か?
ベンチャー企業であれば「社長・役員陣」がどのような人か?

によって判断が変わる。

最もオススメな就職・転職先の選択

私が最もオススメするのは

・事業成長を続けている大手企業
・待遇がよい(=利益を出している)ベンチャー企業

という2つの選択肢だ。

事業成長を続けている大手企業

「リクルート」、「サイバーエージェント」のように次々と新しいサービスを生み出しながら長期に渡って売上を伸ばし続けている大手企業が該当する。

一時的な成長ではなく、長期に渡って事業成長している大手企業は、漏れなく人材成長を伴っているし、次々と新規事業が立ち上がることで新しいポスト(事業部長、部長、課長など)が産み出され、若くして出世できる(=「適切な権限(責任)」を得られる)可能性が高い。

逆に売上成長が止まっている大手企業は、人材の成長も止まっていたり、管理職のポストが埋まってしまうため出世できないケースが多いので最も避けたほうがよいだろう。

待遇がよい(=利益を出している)ベンチャー企業

有名な企業は少ないが、最近上場している企業の決算書を確認するか、求人サイト等で未上場のイケてるベンチャー企業を探すのが早いと思う。待遇が良いベンチャー企業は、大手企業の待遇を維持しながら、ベンチャー最大のメリットである「適切な責任」を与えてもらえる可能性が高いだろう。

上場を目指すベンチャー企業であればストックオプション含めて、大手企業では得ることができないメリット(数百万、数千万、ときには数億のお金)を享受できる可能性がある。

私が今から20代に戻るなら、間違いなく上記2つの中で就職先・転職先を探す。

成長を志す皆さんにも「適切な目標」、「適切な責任」、「適切なメンター」という3つの要素を網羅した会社をぜひ探してもらいたい。

PS:弊社も「待遇がよい(=利益を出している)ベンチャー企業」を目指し、日々事業を運営しているので興味がある方はTwitterやfacebookのメッセージで連絡してもらいたい。