【仕事の選び方】自分にとっての「天職」「適職」とは?

「自分に合う仕事とは何だろうか?」
「自分の天職は何だろうか?」
「もっと自分にあった仕事があるのではないか?」

そんな漠然な気持ちから、転職を考える方が世の中には多くいらっしゃいます。

そもそも天職とは何なのでしょうか?

本記事では世の中の仕事を分類し、「天職」に関する定義と仕事の選び方について解説します。

自分自身にとっての「仕事」を正しく分類する

「楽しい・楽しくはない・やりたくない」×「成果が出る・成果が出ない」という軸で仕事を分類してみましょう。

今働いている仕事はどこに入りますか?

キャリアチェンジ編集部作成:適職マトリックス
図:キャリアチェンジ編集部作成:適職マトリックス

キャリアチェンジ編集部では上記のマトリックスで分類された仕事を「天職」、「適職」、「夢見職」、「不幸職」、「地獄職」と名付けています。
まずは、言葉の定義を説明しましょう。

「天職」「適職」「夢見職」「不幸職」「地獄職」とは?

天職とは?

天職とは「楽しい」かつ「成果が出せる」仕事。
わかりやすい例を挙げれば

  • ・イチロー氏、大谷翔平氏にとってのプロ野球という仕事
  • ・明石家さんま氏やタモリ氏にとってのタレント(芸能人)という仕事

は天職に該当していると言えるでしょう。

サラリーマンの場合は、プライベートと仕事の境目なく楽しそうに成果を上げている人の多くが「天職」だと感じながら働いているようです。

適職とは?

適職とは「楽しくはない」が「成果が出せる」仕事。
現在の仕事で高い成果を上げてられている人の多くは、その仕事が適職だと言えます。

天職との違いは「その人自身が仕事を楽しんでいるか?」だけです。
多くの人は「仕事を通した大きな喜び」をキッカケに「適職」⇒「天職」と変化するケースが多いでしょう。

★適職が天職に変化するキッカケ
・自分自身の成果により、チームに大きな貢献ができたとき(チーム貢献による喜び)
・自分自身の成果により、責任あるポジションへの出世・抜擢されたとき(自己実現による喜び)
・自分自身の成果により、お客さんからの感謝されたとき(感謝による喜び)

夢見職とは?

「楽しい」が「成果が出ない仕事」のことです。
メジャーデビューを夢見るバンドマンや、いつになっても売れないお笑い芸人のように、その仕事が「好き(楽しい)」だけど「成果が出ない」仕事が該当します。

ビジネスの世界では

  • ・「服が好き」という理由だけでアパレル会社に就職した人
  • ・「結婚式の感動が好き」という理由で結婚式場に入社した人
  • ・「旅行が好き」という理由で旅行会社に入社した人

など「好き」で仕事を選んだしまった人に夢見職の人が多いようです。(※1)
「好き」で選んだけど、実際の仕事は想像していた仕事と違う(成果も出ない)というギャップで、好きだった仕事が嫌いになっていく(「夢見職」から「不幸職」に変化していく)のが夢見職の特徴です。

(※1)アパレル、結婚式場、旅行会社の場合、「営業」が重要な仕事。憧れて入社したが、仕事内容が想像と異なり、成果が出ず、日々営業ノルマに追われることで仕事が嫌いになっていく人が多いのです。

不幸職とは?

不幸職とは「楽しくない」し「成果も出ない仕事」のことです。
仮に人並みの成果がでていたとしても、他の人の1.5倍働いてやっと人並みの成果が出ているようなケースは「不幸職」に該当します。

  • 営業成績が振るわない営業マン
  • マーケティングセンスがない広告クリエイター
  • コードが綺麗に書けない/コーディングが遅いエンジニア

など不幸職についている人はどこの会社にも意外多く存在します。

ただ、努力をしないまま「不幸職である(自分には向いていない)」と早々に判断してしまう方も多いので注意が必要です。
どんな仕事であっても一定の「努力」をしないと、自分にとって「適職なのか?」「不幸職なのか?」は判断できません。「新社会人は、まず3年働け」と言いますが、それは「適職かどうか?の判断に3年かかる」という意味でもあります(個人的には半年間一生懸命働ければある程度判断できると考えていますが)。まずは目の前の仕事に対して成果が出せるまで頑張ってみることが重要です。

地獄職とは?

地獄職とは成果に関わらず「やりたくない」仕事のことです。
「企業の不正に加担させられた社員が自殺してしまう」ケースをニュースで耳にしたこともあるではないでしょうか?

  • ・文書改ざんを行なっている会社
  • ・裏で賄賂を送り、売上を上げている会社
  • ・多額の脱税をしている会社
  • ・業績を上げるために社員に罵声をあびせることを美徳としている会社

など、自分自身が自尊心を保てない仕事は地獄職に該当します。給料が良くて、成果が出せる仕事であっても「精神疾患」にかかる可能性が高いのが地獄職。絶対に選んではいけません。

得意なこと(成果が出ること)を見つけることが重要

上記の説明で「地獄職」を避け、「天職」「適職」に就くことが重要であることは理解いただけると思います。

「好き」を軸に仕事を探すと「天職」か「夢見職」となり、
「成果(得意)」を軸に仕事を探すと「天職」か「適職」となります。

「好きを仕事にすることが重要だ」という人もいますが、それは好きな仕事が偶然得意だったケースが多いのです。

例えば「ファッションが好き」といっても
・自分がオシャレをすることが好き
・人をコーディネートすることが好き
・服を売るのが好き
・ファッションを語るのが好き
など、色々な「好き」があります。

漠然とした「好き」を軸で仕事を選ぶと「夢見職」を選んでしまう危険性が高くなりますので、まずは「成果(得意)」を軸に仕事を探すようにしてください。

任天堂のカリスマ社長だった「岩田聡氏」は、ドワンゴ「川上量夫」社長との対談記事でも以下のように述べています。

好きじゃないけど得意なこともありますし、好きだけど、実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから、仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると、仕事っておかしくなることが多いんです。

自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり、喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね、「それがその人の得意な仕事なんだ」って話で。逆に、自分的にはすごい努力して、達成感もたっぷりあるのに、周りからは「はあ?」みたいに思われることもあって。それはね、本人が好きだったとしても、実は不得意なことかもしれないんですよ。

4games.net 対談記事より

私も岩田氏と同意見です。

自分が「天職」だと感じても、周りから評価されなければ、それは「夢見職」、
「不幸職」と感じていても頑張りが周りから評価される仕事は、「適職」だと言えます。

自分のことは、自分が一番わかっていないもの。
まずは自分自身が得意なことを見つけ出し、「天職」「適職」に就く足掛かりにしていただければと思います。